介護施設の種類と職場の特徴を徹底比較!転職を成功させるための4つの選び方

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介護施設の種類と職場の特徴を徹底比較!転職を成功させるための4つの選び方
  • 色々な介護施設があるけど、自分に合っている施設がわからない
  • 今の職場環境に不満があるけど、転職先でも同じではないか不安がある
  • キャリアアップしたいけど、経験を活かせる施設がわからない

介護職として働いている中で、現在の職場環境や待遇に不満を感じて転職を考える方も多くいます。しかし、介護施設の種類は多く、どのような職場を選べば良いか悩んでいませんか?この記事では公的・民間介護施設から居宅サービスまで、介護施設の種類と特徴を詳しく解説します。

記事を読めば、自分のキャリアプランや希望する働き方に合った転職先を見つけられます。介護施設を選ぶ際は、自分の価値観に合った施設を選ぶことが大切です。施設によって業務内容や求められるスキルが異なるため、事前に十分な情報収集を心がけましょう。

公的介護施設の種類と特徴

公的介護施設は、国や自治体が関与して介護保険制度のもとに運営されています。公的介護施設の種類は以下のとおりです。

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護医療院
  • ケアハウス

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、要介護3以上の中重度の高齢者が対象の施設です。常時介護が必要で、在宅での生活が困難な方が介護老人福祉施設に入居できます。介護老人福祉施設の専門スタッフは、24時間体制で日常生活全般のケアを行います。

介護老人福祉施設の形態は主に以下の3種類です。

形態定員入居条件
広域型30人以上居住地制限なし
地域密着型29人以下施設所在の市区町村住民限定
地域サポート型65歳以上の在宅高齢者など

介護老人福祉施設の介護・看護職員は入居者3人に対して1人以上の配置基準があります。夜勤は介護老人福祉施設の場合、複数人体制が基本です。介護老人福祉施設はシフト勤務が一般的であり、入居者との長期的な人間関係を構築できます。

介護老人福祉施設はターミナルケア(終末期ケア)を行う施設も多く、介護の専門性を深められる職場です。

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設(老健)は、医療ケアとリハビリテーションに強みを持つ施設です。要介護1〜5の方が入所でき、病院と在宅の中間に位置する施設として、介護老人保健施設は利用者の在宅復帰を支援します。介護老人保健施設は医師が常駐し、24時間体制で医療ケアを提供します。

介護老人保健施設の入所期間は原則3〜6か月の短期間です。介護老人福祉施設と比較すると、より医療的ケアを必要とする利用者が多い点が介護老人保健施設の特徴です。介護老人保健施設の勤務体制は夜勤や交代制勤務があり、医療的な緊急対応が求められる場合もあります。
» 介護老人福祉施設と介護老人保健施設の違いを徹底解説!

介護老人保健施設の介護報酬は介護老人福祉施設よりも高く設定されています。

介護医療院

介護医療院は医療と介護を一体的に提供する介護施設です。要介護1以上の高齢者が入所対象となり、医師や看護師が24時間常駐しています。

介護医療院の種類は大きく分けて以下の3つです。

種類対象者特徴
Ⅰ型医療依存度が高い重度要介護者療養機能強化型A・Bに分かれる
Ⅱ型Ⅰ型より容体が安定した要介護者老健に近い、リハビリ・在宅復帰支援が中心
医療外付け型比較的安定した要介護者居住部分が個室、医療機関併設

介護医療院での介護職員の主な役割は日常生活の支援ですが、医療スタッフとの密接な連携も欠かせません。

ケアハウス

ケアハウスは、正式には「軽費老人ホームC型」と呼ばれる高齢者向けの住宅施設です。60歳以上の高齢者(夫婦の場合は一方が60歳以上)がケアハウスに入居できます。ケアハウスは自立した生活を送れる方が入居対象となるため、介護職員の身体的負担が少なくなります。

職員は主に生活相談員や支援員として勤務し、ケアハウス入居者の見守りや生活支援が中心です。ケアハウスの勤務環境は夜勤が少なく日勤中心のシフトであるため、ワークライフバランスを重視したい方に向いています。介護が必要になった入居者は外部サービスを利用するため、ケアハウス内での介護サービス提供は限定的です。

民間介護施設の種類と特徴

民間介護施設は公的施設と比べて運営の自由度が高く、独自のケア方針やサービス内容を持っています。民間介護施設の種類は以下のとおりです。

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、介護が必要な高齢者に住まいと手厚いサポートを提供する施設です。介護保険法にもとづく「特定施設入居者生活介護」の指定を受けており、24時間体制で介護・看護職員が常駐しています。

介護付き有料老人ホームの運営基準は、法律で以下のように明確に定められています。

  • 看護職員:入居者30人につき1人以上
  • 介護職員:入居者3人に対して1人以上
  • 機能訓練指導員:1人以上
  • 計画作成担当者(ケアマネジャー):1人以上

介護付き有料老人ホームは、介護福祉士や実務者研修修了者などの有資格者が多く従事しています。
» 介護士と介護福祉士の違いを詳しく解説!

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、居住機能を主体とした介護施設です。介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受けていないため、住宅型有料老人ホームに介護スタッフは常駐していません。住宅型有料老人ホームの特徴は、自立した方から要介護5までの方を幅広く受け入れている点です。

住宅型有料老人ホームの介護職員は主に生活援助や身体介護、見守りなどを担当します。自立度の高い入居者が多いため、住宅型有料老人ホームではレクリエーションなどの生活支援の比重が大きくなります。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、60歳以上または要支援・要介護認定を受けている方を対象とした住宅です。サービス付き高齢者向け住宅の特徴は24時間の見守りサービスと、生活相談員が常駐している点です。

バリアフリー構造が義務付けられており、サービス付き高齢者向け住宅では以下のような変更が必要になります。

  • 廊下幅の確保
  • 段差の解消
  • 手すりの設置

サービス付き高齢者向け住宅では、介護サービスを外部の事業者と契約して提供されます。サービス付き高齢者向け住宅の介護職員として働く場合は、日勤中心のシフトで生活支援の業務が中心となります。

グループホーム

グループホームは認知症高齢者を対象として、家庭的な環境で生活を支援するための施設です。5〜9人の少人数制で運営され、グループホームは家庭的な雰囲気の中で入居者を24時間体制で支援します。グループホームに入居できる条件は、要支援2以上で認知症と診断された65歳以上の高齢者です。

グループホームの職員構成は主に介護福祉士や初任者研修修了者で、1ユニット当たり3人以上の配置が必要とされています。夜勤が必須であり、グループホームは認知症ケアに関する専門知識が求められる職場です。

小規模介護施設と大規模介護施設の違い

介護施設にはさまざまな規模があり、日々の業務や働き方も異なります。小規模介護施設と大規模介護施設の違いについて、以下の観点から解説します。

  • 仕事内容と業務範囲
  • 職場環境やスタッフ体制
  • 利用者との関わり方

仕事内容と業務範囲の違い

小規模介護施設の魅力は少人数のため、多くの業務に携われる点や利用者の生活全体に関わっている実感がある点です。排泄や入浴、食事介助などの身体介護だけでなく、小規模介護施設ではレクリエーションの企画運営や備品管理、清掃まで担います。

大規模施設では業務が細かく分担されており、業務が専門化されているため、介護職員は介助業務に集中できます。大規模施設は自分の役割に集中しやすく、精神的な負担も少ない環境です。

職場環境やスタッフ体制の違い

小規模施設では職員の人数が限られているため、スタッフ同士の距離が近くなります。小規模施設は体調不良や困りごとも共有しやすく、フォロー体制が整っています。ただし、慢性的な人手不足や急なシフト調整が発生する点が小規模施設の課題です。

多くのスタッフが在籍している大規模施設では、人員に余裕のあるシフトが組まれています。研修制度やマニュアルも充実しており、大規模施設は未経験の業務や異動先でも安心して働きやすい環境です。ただし大規模施設は部署やユニットが分かれているため、チームワークの構築に時間がかかる場合があります。
» 【介護職】働きやすい施設の特徴と種類まるわかり!

利用者との関わり方の違い

小規模施設では1ユニットの利用者数が限られているため、一人ひとりと関わる時間を持ちやすくなります。小規模施設は利用者にとっても職員が顔なじみになりやすく、安心感を持って生活できる環境が整っています。介護の質だけでなく、小規模施設は人と人の関係を重視したケアをしたい方にはやりがいを感じやすい環境です。

大規模施設は利用者数が多いため、1人の職員が日常的に関わる利用者も多くなります。記録や業務の正確性が重視され、大規模施設は利用者との関係はある程度システム化されています。大規模施設はサービスの質を一定に保ちやすく、ミスの少ない運営ができる環境です。

居宅介護サービスの種類と特徴

介護職の働き方の一つに居宅介護サービスがあります。居宅介護サービスは、要介護者や要支援者が自宅で生活を続けながら必要な介護サービスを受けられる仕組みです。

以下の代表的な居宅介護サービスについて解説します。

  • 訪問介護(ホームヘルプサービス)
  • 通所介護(デイサービス)
  • 通所リハビリテーション(デイケア)

訪問介護(ホームヘルプサービス)

訪問介護は要介護認定を受けた高齢者の自宅を訪問し、身体介護や生活援助を提供するサービスです。1対1の個別ケアが訪問介護の基本となり、訪問時間は30分〜1時間程度が一般的です。訪問介護の仕事は、ケアマネジャーが作成した居宅サービス計画(ケアプラン)にもとづいて行われます。

訪問介護には単発訪問と定期訪問があり、利用者の状態やニーズに合わせてサービス内容の調整が可能です。訪問介護は1人で判断して対応する場面が多いため、臨機応変な対応力が求められます。

通所介護(デイサービス)

通所介護(デイサービス)は要介護・要支援認定を受けた高齢者が日中のみ施設に通い、必要なケアを受けるサービスです。利用者の心身機能の維持・向上と社会的孤立を防止することがデイサービスの目的です。

デイサービスは規模によって以下の3つに分類されます。

  • 通常規模型
  • 大規模型Ⅰ
  • 大規模型Ⅱ

デイサービスの特徴は夜勤がない日勤のみの勤務形態です。介護職だけでなく、デイサービスでは看護職や機能訓練指導員などと協力しながら利用者をサポートします。デイサービスの魅力は同じ利用者と長期的な関係を築きやすく、変化や成長を見守れる点です。

通所リハビリテーション(デイケア)

通所リハビリテーション(デイケア)は、医学的管理のもとで専門的なリハビリテーションを提供するサービスです。要介護・要支援認定を受けた高齢者が病院や介護老人保健施設、診療所などに通い、専門スタッフからリハビリを受けます。デイケアの目的は日常生活の自立を支援し、身体機能の維持・回復を図ることです。

デイケアにおける介護職員は利用者の介助や見守り、生活支援を担当します。医療職との連携が密接なため、チームワークを大切にする方にデイケアは向いている職場です。
» 病院で働く介護士の仕事内容やメリット・デメリットを解説

介護施設を選ぶポイント

介護施設の職場を選ぶ際には、以下のポイントを意識しましょう。

  • 希望する働き方を明確にする
  • 施設の理念や方針を理解する
  • 職場環境やスタッフの雰囲気を確認する
  • 給与や福利厚生を比較する

希望する働き方を明確にする

事前に希望条件を整理すると、自分に合った介護施設を見つけやすくなります。働き方は雇用形態や勤務時間、勤務パターンの希望を明確にしましょう。

介護で働き方を検討する際は以下の点を明確にしてください。

  • 夜勤の有無や回数
  • シフト制
  • 固定勤務
  • 勤務地
  • 通勤時間
  • 施設の規模
  • 介護スタイル

チームワークを重視したいのか個人で完結する業務を好むのかによっても、向いている職場は変わります。

施設の理念や方針を理解する

介護施設の理念や方針はケアの質や職場環境に大きく影響するため、自分の価値観と一致しているかを確認しましょう。介護施設の理念や方針で確認すべきポイントは以下のとおりです。

  • 自立支援型または介護型
  • 施設の将来ビジョンや成長計画
  • 施設長や管理者の考え方・人柄

介護施設を見学する際には、掲げられている理念が実際に現場で実践されているかを観察してください。理念と現実の乖離が大きい介護施設では、働きづらさを感じる可能性があります。

職場環境やスタッフの雰囲気を確認する

実際に働く前に介護施設の雰囲気を確認しておくと、入職後のミスマッチを防げます。職場環境を確認する効果的な方法は、実際に施設見学をすることです。介護施設の見学時にはスタッフ同士のコミュニケーションや、利用者とスタッフの関わり方に注目してください。見学だけではわからない部分は、面接時に質問しましょう。

面接時には現場スタッフとの交流の機会を依頼してみることもおすすめです。ハラスメント対策や相談窓口が整備されている介護施設は、スタッフの働きやすさに配慮している可能性が高いと言えます。
» 介護業界のホワイト企業の探し方

給与や福利厚生を比較する

介護施設での待遇面の不満は転職理由の大きな部分を占めるため、慎重に検討しましょう。給与は基本給の金額と昇給制度だけでなく、賞与や退職金制度、夜勤手当の金額と回数についても確認してください。福利厚生は有給休暇の取得率や消化しやすさ、休日数の確保状況なども確認しておくことをおすすめします。

ワークライフバランスを重視する方は、産休・育休制度の内容や取得実績も確認しましょう。キャリアアップを目指す方は、介護施設の研修制度や資格取得支援の内容も比較してください。
» ブラックな介護施設を見極めるポイントと最適な職場の見つけ方

まとめ

公的介護施設や民間介護施設、居宅介護サービスなどの主な特徴を紹介しました。介護職で転職を考える際はミスマッチを防ぐために、介護施設の種類やサービスの特徴を理解することが大切です。

介護施設の転職先を選ぶ際のポイントは以下の4つです。

  • 希望する働き方の明確化
  • 施設の理念や方針の理解
  • 職場環境やスタッフの雰囲気
  • 給与や福利厚生の比較

転職は不安を伴うものですが、自分に合った介護施設で働くことで仕事にやりがいを感じられるようになります。
» 介護職の仕事内容や必要なスキル、やりがいについて解説!